接客応対や販売のスペシャリスト!新人職員の育成やショップスタッフの指導をする「トレーナー」という職種について
アパレル業の企業に就職した新人スタッフが、まず先に受けるのが「新人研修」です。
大手の企業であるほど新人研修の規模が大きく、数週間から数か月ほどかけてみっちりショップでの接客応対や販売の基礎を徹底的に学びます。
新人研修を受ける新人スタッフの指導や育成を担当するのが、ここでご紹介する「トレーナー」というポジションの人たちです。
目次
トレーナーとは?その仕事内容について
「トレーナー」は、アパレル系や美容系のショップで働くスタッフに指導や教育を行う職業です。接客応対や販売のスペシャリストともいわれており、企業の中では一目置かれた存在です。
販売員や営業で実績や経験を積んだあとに、トレーナーに転身するのが一般的です。
新入社員を集めて行う研修会の企画や実行、定期的にショップを見回って接客品質の確認、指導などを担当します。
◎接客応対や販売を極めた実力者
トレーナーとして働ける人は、接客応対や販売を極めた実力者であるといえます。
接客応対のスキルや、顧客満足度を上げるためのサービスなどをもとに的確な指導をし、企業全体の士気を鼓舞することがトレーナーの仕事です。昨今は、大手企業をはじめ、優れた指導ができる敏腕トレーナーの需要が高まっています。
トレーナーになるには
トレーナーに必要な資格や技能
トレーナーになるために必須の資格はありません。
しかし、知識や実力を証明するために資格をとることはプラスに働きます。大手アパレルメーカーや有名ブランドに就職するためには学歴や資格の有無が影響することもあるからです。
・ファッションビジネス能力検定
・ファッション販売能力検定
・ファッションコーディネート色彩能力検定・・・など
ファッションビジネス能力検定・・・トレーナーの仕事に必要なファッションについての幅広い知識や技術、流通などを習得できる資格です。売り上げを上げるために必要な顧客満足度の向上に関するノウハウなどを幅広く学ぶことができます。
トレーナーに必要な資格や技能の取得難易度
ファッションビジネス能力検定は、合格率は3級が7割、2級が5割ほどです。5年以上の実務経験を持つ人でもむずかしいとされる1級は、合格率が2割ほどのむずかしい試験です。
資格のほかにトレーナーに必要な技能とは?
経験や実績がある人でも、相手にうまく指導ができなければトレーナーとして働くのはむずかしいでしょう。また、自分の意見だけを伝えるだけで、相手の話しを聞けない人もトレーナーには向いていません。
想いを的確に伝えられる能力、うまい話し方やプレゼン能力、さらには高いコミュニケーション能力などがトレーナーになるために必要な能力です。
トレーナーの平均給与はどのくらい?
アパレルメーカーの営業や販売員として就職した人は、勤続年数や担当するポジションによって給与が変わります。
正社員であれば初任給20万円ほどで、年数を重ねるごとに昇給の対象になります。10年近く販売員の仕事を続け、そのあとトレーナーになった人は月収40万円ほどが相場のようです。低収入な職種が多いアパレル業界のなかでも、トレーナーの給与は優遇されているほうです。
◎より多くの経験や実績を積みトレーナーを目指す!
販売員などの仕事を経験しながら将来的にトレーナーを目指すという人は、ショップの店長やエリアマネージャーなどのポジションを経験した経験者であることが昇進するための条件になることが多いようです。経験豊富で実績も多い人に指導される内容は、説得力があり素直に聞き入れることができるからです。
トレーナーのやりがいや苦労
トレーナーのやりがい
・新人スタッフが一人前の販売になったとき!
お客さま対応のスペシャリストであるトレーナーは、接客や販売スキルが未熟な新入社員を指導、そして教育していく立場にある職種です。
ときには厳しく指導することもあるため、人によっては憎まれ役に徹している人もいるでしょう。人を相手にした仕事をしているため人間関係の苦労も測り知れませんが、一生懸命指導したスタッフがショップに立ち、「一人前」になった姿をみることはトレーナーとしての最大の喜びです。
・人のために役に立てること!
大手企業にもなると研修期間が長く、ホテルを貸し切って合宿が行われることがあります。
苦労も多い研修を乗り越えた人だけが、ショップスタッフとして現場に入ることが許されています。
厳しい研修期間を終了したあとは、新入社員から感謝の言葉を受け取ることもありますし、新人スタッフが一人前のショップスタッフに成長するためのサポートができることにやりがいを感じます。
・指導した結果ショップの評価が上がったとき!
トレーナーの仕事は新入社員への指導だけでなく、既存のショップに所属しているショップスタッフの指導もします。
定期的に現場を見回って気づいたところを改善するために、そのときの状況に合わせた指導方法を考えて、必要であれば研修を企画し実行します。トレーナーが指導をしたことで顧客満足度が上がり、「ショップの売り上げアップ」に貢献できたときは、トレーナーとしても非常に嬉しいことです。
トレーナーの苦労や大変なこと
・教えることや想いを伝えるのが苦手な人は苦労する
アパレル業界での経験や実績はトレーナーにとって非常に重要なことですが、教えることが苦手な人や人に指示をするのが苦手な人には、あまり向いていない職種です。
・打たれ弱い人はストレスがたまる
接客応対のマナーや販売促進について指導するのは、決して簡単なことではありません。スタッフによってはすぐにコツをつかむ人もいれば、習得するまでに時間がかかる人もいるからです。
教え方はトレーナーによってさまざまですが、ときには強く指導することも叱ることもあるでしょう。スタッフから煙たがられることもあるため、「性格的に打たれ弱い人」は精神的にストレスに感じるかもしれません。
・結果を出さないと意味がない
トレーナーはアパレル企業の中でも厚遇されている職種の一つです。接客応対や販売のスペシャリストと呼ばれる人でないと抜擢されないポジションだと、みんなが知っているからでしょう。
人々から厚い信頼を受けている分、指導したあとにどれだけの成果が現れるかでトレーナーとしての評価が分かれます。期待されている分、結果を出さないといけない仕事であるためプレッシャーに打ち勝つ強い精神力が必要です。
トレーナーになるための適切な専門学校の選び方
トレーナーになるためには、ファッションに関する知識はもちろんのこと、販売戦略やマーケティング術なども理解しておくことが大切です。
学校を選ぶときにはファッション専門の専門学校や、経営やマーケティングなどが学べる大学に進学するのがベストです。
◎就職率や就職先の動向をチェック!
専門学校ではクリエイティブ系の職種のほか、ファッションビジネスを中心としたカリキュラムを組む学校もあります。在学時に資格取得を目標としている授業があると良いですし、就職率や就職先の動向も詳しく見ておきましょう。
◎日々の生活でも勉強になることがたくさんある!
アパレル関連のショップを頻繁に見てまわったり、最先端ファッションを必ずチェックしたりして、日々勉強を重ねることが大切です。
お客さま対応のアルバイトを経験すると接客マナーの基本や、コミュニケーション能力を培うことができます。積極的に人と話し聞くという機会を多く作っていくことがトレーナーになるためには大切なことです。
アパレル業界における「トレーナー」というポジションは、新人スタッフが最初にお手本にする先輩スタッフということもあり、接客応対や販売のスペシャリストと高い評価を得ている人しか担当できません。
愛情をもちながらも時には厳しく指導することもあるので、心苦しい気持ちになることもありますがそれはすべて新人スタッフのためです。トレーナーは、高いコミュニケーション能力や指導力を十分に活かして、実践で戦力となるように根気強く指導できるような人こそ、トレーナーとしての適性があるといえるでしょう。