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リサイクルブームに乗ろう!仕立て直しのプロ「ファッションリフォーマー」の仕事について

リデュース、リユース、リサイクルの3Rといった言葉が一般的となり、日本国内をはじめ世界中でリサイクルをする習慣が浸透しています。

そこで最近、アパレル業界でとくに注目されている職種が、今回ご紹介する「ファッションリフォーマー」という仕事です。

それでさっそく、ファッションリフォーマーの仕事をはじめ、やりがいになることや大変だな、苦労するなということ、さらにはファッションリフォーマーになるために知っておきたいことなどを中心に以下に色々とまとめてみます。

 

ファッションリフォーマーとは?その仕事内容について

「ファッションリフォーマー」の仕事は、その名のとおり洋服をリフォームやお直しをしています。

お下がりの洋服や形見の品、壊れた、または破れた洋服の修理、パンツ丈の裾上げ、古着をまったく違うデザインへ変更するなど、仕事内容や取扱う洋服のジャンルも多岐にわたります。

ファッションについての知識や高度な技術、幅広いリフォームパターン、それにお客さまの要望やデザインチェンジにも柔軟に対応するための高いファッションセンスも大切な仕事です。

 

 

ファッションリフォーマーになるには

ファッションリフォーマーに必要な資格や技能について

ファッションリフォーマーに必要な資格はありません。

アパレルメーカーや百貨店のファッションリフォーマーとしての就職を希望している人は、資格はないよりもあったほうが効果的です。洋服の知識や裁縫の修繕、お直しに関する高い技術を証明できれば履歴書に箔がつくからです。

以下は、ファッションリフォーマーがもっていると有利に働きそうな資格や検定についてです。

 

・洋裁技術検定

・和裁検定

・ファッションビジネス能力検定

・カラーコーディネーター検定

・ファッションファッションリフォーマー検定・・・など

 

洋裁技術検定・・・日本ファッション教育振興会から認定されている学校の学生にのみ受験資格が認められている検定です。

和裁検定・・・和裁を中心にファッションリフォーマーとして働きたい人は、和裁検定を受けると就職活動で有利に働くことがあります。

 

ファッションリフォーマーに必要な資格や技能の取得難易度

洋裁技術検定は、洋裁についての知識や製作技術を初級~上級のレベルに応じて筆記や実技の試験をします。合格率は7割ほどとされているので、専門学校などでしっかり学ぶことで自然と実力が身につくはずです。

 

ファッションリフォーマーに向いている人の特徴

ファッションリフォーマーは女性が多いようですが、「洋裁が得意」で「細かい作業を地道に行うのが好き」な方に向いている職業といえます。

ファッションリフォーマーとして活躍するには裁縫の技術が長けていることはもちろん、アパレルに関する「流行」や「センス」を兼ね備えていることが大切になります。修理や寸法直しだけでなく、古着などの洋服をバラバラにして新しいデザインで塗り合わせるリメイクをする仕事もあるからです。こういった仕事には、ファッションセンスが必須となりますので、日頃から流行を先取りして、その時代に求められている洋服を作りだすクリエイティブな要素も必要です。

 

 

ファッションリフォーマーの平均給与はどのくらい?

アパレルメーカーやクリーニング店、個人経営、百貨店などで働くファッションリフォーマーが多いようです。なかには、主婦をしながら在宅でファッションリフォーマーを副業としている人もいます。

 

・正社員でもアルバイト、個人開業でも働けるファッションリフォーマー

正社員として働く人の月収は平均15円~30万円、アルバイトや副業として働く人は時給750円~1,000円ほどが多いようです。個人で開業している人は自分で料金を設定できるため、高い技術を持つファッションリフォーマーであるほど高い収入を得ることができます。

 

 

ファッションリフォーマーのやりがいや苦労

ファッションリフォーマーのやりがい

・むずかしい依頼をクリアしてお客さまに喜んでもらえる!

ファッションリフォーマーとしての大きなやりがいを感じるときは、むずかしい依頼や要望にも根気強く向き合い仕上げた洋服を「お客様に喜んでもらえたとき」です。

裾上げや肩つめなどの作業は基本的な技術が身についていれば、初心者のファッションリフォーマーでも仕事を請け負うことができます。それでも、煙草の火や虫に食われて穴が空いてしまっているような洋服は、熟練の職人さんでないとキレイに修繕ができないとされるむずかしい作業だからです。

 

・補修部分が分からないほどのキレイに仕上げられたときの充実感!

むずかしい作業が必要な穴空きの修繕には、「かけはぎ」という技法を用います。

かけはぎは、洋服の裏から新しい生地を当てて補修していく技法なのですが、経験が乏しく未熟なファッションリフォーマーだと継ぎ接ぎ(つぎはぎ)のように新しい生地が見えてしまい、縫製の仕方によっては逆にその部分だけが目立ってしまい変な印象になります。

実力を磨きあげた職人さんがかけはぎをすると「穴が空いていなかったかのように補修」されて、「補修部分さえも全く分からないほど」に仕上がります。

 

・実力の高いファッションリフォーマーの職人技は芸術ともいわれる!

同じく「織り込み」という技法がありますが、こちらはさらに高度な技術が必要になります。糸を織り込んで空いた穴を塞いでいく方法です。布を使わず糸を縦や横におりこむことで見栄えが自然体になることがメリットです。

技術力が高まるにつれ仕上がりが美しく、高度な職人技の仕上げた洋服は「芸術とも評される」ほどです。時間をかけて一つ一つ縫製していく職人技は仕上がりの良さによって高く評価されるため、努力が実ったときには喜びも大きくなるでしょう。

 

ファッションリフォーマーの苦労や大変なこと

・見習いを経験しなければならない

需要の高まりとともにファッションリフォーマーの仕事を本業、または副業にしている人も増えています。しかし、熟練の技を持つファッションリフォーマー職人として活躍するためには、「見習いの時期を長く経験する」必要があります。

入社当初は見習いとしてパンツの裾上げや洋服の肩つめなどを中心に、とにかく多くの依頼を経験していきます。

 

・体力的にもきつい仕事

ファッションリフォーマーの見習いや熟練の職人さんであっても、一日の大半を椅子に座って細かい作業を繰り返す仕事であるため、常に肩こりや腰痛などの痛みがつきまといます。

注文依頼が多いときには担当する洋服が大量になるので、日常的に締め切りに追われることもあります。そのため、体力的に自身があり、一つのことに集中してこつこつと作業進められる根気強い正確の人に向いている職業ともいえるでしょう。

 

・責任重大で精神的に追い込まれる人もいる

時に、むずかしい依頼や無理難題をいわれることもあるでしょう。しかし、お客さまにとっては思い入れの深い大切な洋服で、昔から受け継いできた形見の品かもしれません。

貴重な洋服や思い出がつまった洋服をリフォームするのは、「責任重大で精神的に追い込まれる」こともしばしばあるようです。

 

 

ファッションリフォーマーになるための適切な専門学校の選び方!

独学でファッションリフォーマーになる人もいますが、個人で開業する以外でアパレルメーカーや百貨店での就職を希望するときには、できれば服飾系の専門学校、または服飾学科をおく大学で勉強するのが望ましいです。

 

ファッションリフォーマーになるなら専門学校か大学で服飾を学ぼう!

専門学校では、基本的な服飾の知識や応用できる技術までファッションリフォーマーとして必要な分野を集中的に学ぶことができます。

大学は、ファッションリフォーマーだけでなく、ほかの職種にも興味を持つ人に向いています。服飾系の知識や技術、デザインのことなどを幅広く勉強したうえで目標とする職業を選ぶことができます。

 

 

 


むずかしい依頼が舞い込んできたときこそ「ファッションリフォーマー」としての技術を証明するチャンスです!

修復した部分にも気つかれない、上質な洋服に仕上げられたときには苦労した分、大きな達成感を味わうことができるのもファッションリフォーマーの仕事の魅力であり、大きなやりがいです。

必要なものだけを必要な分だけ持つというミニマムな生活を心がける人が世界的に増えているので、洋服を長く大切に使うためのお直しを仕事にしているファッションリフォーマーは、かけがえのない職種の一つとしてこれからも重宝されるはずです。