わたしたちが普段使っている便利なアイテムには、「プロダクトデザイナー」という職種の人たちのアイデアから生まれたものです。
プロダクトデザイナーは、デザイン性はもちろんこと、普段から使いやすいようにと機能性に優れたアイテムが世の中には溢れていますが、こういった便利なモノを生み出すことが仕事の職業です。
企業やその部署に対してプロダクトデザイナーの数は限られているので、競争が激しい職種でもあります。さらに、デザイナーとして認められれば、大手企業から新商品デザインの依頼が入ることもある夢のある仕事です。
そこで今回は、新しいモノをつくるうえで欠かせないプロダクトデザイナーの仕事内容や、プロダクトデザイナーになるために必要なことなどを中心にいろいろとご紹介します。
目次
プロダクトデザイナーとは?その仕事内容について
「プロダクトデザイナー」は、ペンやシャープペンなどの文房具や生活用品、家具などのインテリア、パソコン、家電製品、自動車、飛行機など、あらゆる工業製品をデザインするのが仕事の職種です。
◎プロダクトデザイン会社やメーカーの商品開発部門で働く!
大量生産していく製品を扱うのが一般的なので、デザイン性に優れた美しい製品であることのほか、機能性に優れたデザインであることも考慮して制作していきます。プロダクトデザイナーの多くはプロダクトデザイン会社やメーカーの商品開発部門などで働いています。
プロダクトデザイナーになるには
プロダクトデザイナーに必要な資格や技能について
プロダクトデザイナーになるために必須な資格はありません。
資格がなくても就ける職種ではありますが、一般的に企業の新卒採用枠が少ないプロダクトデザイナーですので、資格はないよりあったほうが就職活動を有利に進められる可能性があります。
以下は、プロダクトデザイナーになることを目標としている人におすすめの検定についてです。
プロダクトデザイン検定・・・プロダクトデザイナーとしての能力や専門知識を持っていることを証明するために大変役に立つ検定です。受験資格は定められていないので、勉強中の学生をはじめ、すでにデザイナーとして活躍する人も受験が可能です。
プロダクトデザイナーに必要な資格や技能の取得難易度
プロダクトデザイン検定試験は1級も2級も筆記試験となるため、過去の問題集を何度も繰り返して解くなどして対策をしておきましょう。
プロダクトデザイン検定は2つの級に分かれていて、2級が基礎を知っている人向け、1級は実務者向けの検定です。
資格のほかにプロダクトデザイナーに必要な技能とは?
就職活動の狭き門をクリアするためには、学生として勉強しているあいだにできることはすべてしておきましょう。企業の選考過程では、これまでの作品を集めたポートフォリオを参考に過去の実績やデザイン性を評価していきますので、就職に強いポートフォリオを作成することが大切になります。
プロダクトデザイナーの平均給与はどのくらい?
プロダクトデザイン事務所やメーカーの商品開発部門などで働くプロダクトデザイナーの初任給は20万円ほどです。そのあとは、経験を積むことで30代には平均月収が35万円ほど、40代では平均月収が40万円ほどになるようです。
◎フリーランスで成功すれば依頼の数だけ収入アップ!
有名なデザイナーになれば年収1,000万円以上、さらには億単位での収入がある人もなかにはいます。企業での経験を積んだあとに独立して、フリーランスで仕事をはじめる人もいます。こういった場合は、仕事の依頼が多ければ多いほどその分収入につながるので、企業勤めをしているときよりも実力次第で経済的に上下しそうです。
プロダクトデザイナーのやりがいや苦労
プロダクトデザイナーのやりがい
・デザインしたモノが商品化されると嬉しい!
モノをゼロから作りだすというクリエイティブな仕事をしているので、デザインを手がけたモノが商品化されて店頭で発売されるということは、プロダクトデザイナーとして何よりもの喜びといえます。
・苦労した分だけ商品が出来上がると達成感を味わえる!
プロダクトデザイナーは、単純に思い描いたままをデザインするだけでなく、商品についての市場調査や分析を徹底的に行ったうえで、コンセプトを決定してデザインを考案していきます。
実際に開発をする技術者や設計士との入念な打ち合わせを重ねますし、何度もデザイン案を練っては作り直すという工程が続きます。こういった作業には精神的にも根気がいりますし、体力的にもとてもハードです。
それでも、苦労しながら作業した分だけ、製品として完成したときには大きな達成感を味わうことができます。
・新しいモノをつくれることが醍醐味の仕事!
困難な作業を繰り返すなかでも、「新しいモノ」をつくりあげることへの義務や、責任感は仕事への大きなやりがいともいえるでしょう。
優れたデザインの工業製品は長きにわたり人々の生活の一部として定着して、なくてはならない一生モノになります。このように人々の生活に良い影響を与え、人から喜ばれる仕事をすることもプロダクトデザイナーとしての喜びでもあります。
プロダクトデザイナーの苦労や大変なこと
・プロダクトデザイナーになるまでの過程が難しい
デザイン関連の職種のなかでも、プロダクトデザイナーなることは特に難しいとされています。その理由は、デザインの勉強をするための美術大学や工学系大学などの試験に合格すること自体が困難であるということからです。
美術大学へは毎年多くの学生が受験をしますが、その大半が不合格となり留年を繰り返しながら次年度の入学を目指します。留年生活を続けていても一向に結果が出ないときには、大学に入学することを諦めてしまうことも多いのです。
もう一つの理由は、大学に無事入学できたとしても希望する企業に就職できる人が少ないということが挙げられます。
プロダクトデザイン事務所や企業の商品開発部門が毎年採用する新卒枠は数名であり、倍率が大学受験のときよりもさらに高くなります。こういった大きな壁が待ち構えていることも、プロダクトデザイナーを目指す人は覚悟しておかなければなりません。
プロダクトデザイナーになるための適切な専門学校の選び方!
就職活動のときに、大学卒業以上といったことを採用条件としている企業も多いので、プロダクトデザイナーを目指す人の多くは美術大学や工業デザイン学科などがある大学を受験しています。
国公立大学になると私立大学よりも合格倍率が高くなるので、ほかの人が勉強している量の倍、もしくはそれ以上の勉強量が必要になります。
◎工業デザインを学べる専門学校もある!
大学のほかに、工業デザインを専門的に学べる専門学校(2年制、または3年制)がありますが、何よりも重要なのは卒業後の就職率や就職先実績についてです。
この点がしっかりした学校でないと就職できるどうかも危うく、せっかく勉強したとしても水の泡になってしまいます。
何もない状態から、さまざまな知識や調査をもとに新しいモノをつくりだすということが、「プロダクトデザイナー」という仕事の最大の魅力です。
プロダクトデザイナーには、類まれな高いデザイン性や機能性への探究心、そして消費者のニーズを察知できる能力などが必要になります。それと同時に、センスや実力、そしてどれだけの努力できるかもプロダクトデザイナーになるためには必要不可欠です。
後悔のない道を進むために、そしてプロダクトデザイナーになるために、今できることを全力で行っていきましょう!!