金属を使ってアクセサリーを作るアーティスト!彫金師になるためには?
ファッションの一部にアクセサリーを身につけることもあれば、普段身の回りにある小物や建築物の飾りなど、金属を用いて作られた装飾が身の周りにたくさんありますよね。
このような金属を使ってアクセサリーなどの装飾品を作るのに欠かせないのが、今回ご紹介する「彫金師」という仕事です。
アーティストや職人とも呼ばれる彫金師の仕事内容や、仕事に対するやりがいや苦労すること、さらには彫金師になるためにはどうしたらいいかなどを中心にいくつかご紹介します。
目次
彫金師とは?その仕事内容について
「彫金師」とは、たがね(鏨)と呼ばれる工具で金属や宝石などを彫ってアクセサリーや装飾品を作る職人のことです。彫金家とも呼ばれることもあります。
◎アクセサリーをはじめ、建築物の装飾品も製作する!
彫金師は、アクセサリーや小物の製作のほか、建築物や家具などの装飾品も製作しています。長い修行期間を経てプロの職人となった彫金師は、自身の彫金工房で伝統工芸のアクセサリーや小物などを製作するほか、宝石メーカーに勤めながら商品企画や販売、さらには彫金教室で講師として働くといった道もあります。
彫金師を目指して一人前の職人になることができるのは、一握りの人だけともいわれる厳しい世界でもあります。
彫金師になるには
彫金師に必要な資格や技能
彫金師になるために必須の資格はありません。
見習いのアルバイトから始めるといったときも、実際には学歴はそれほど関係ないとしている彫金工房もあります。しかし、すべての工房や宝石メーカーなどで学歴が必要ないといえば、そうでもありません。正社員として就職を望んでいるのであれば、学歴が必要になりますし、資格もないよりはあったほうが就職活動に有利に働くことがあります。
以下は、彫金師になるために持っていると効果的な検定についてです。
・ジュエリーコーディネーター検定・・・など
ジュエリーコーディネーター検定・・・ジュエリーに関する豊富な知識や、販売知識などを問う試験です。ジュエリーに関する仕事に携わる人に取得が推奨されている検定なので積極的に受験しておきたいものです。
彫金師に必要な資格や技能の取得難易度
ジュエリーコーディネーター検定は、3級、2級、1級が受験できます。一番難しいとされる1級の合格率は2割を切るほどの難易度です。ジュエリーのプロフェッショナルともいえるジュエリーコーディネーターは、彫金師が持っていて損はない検定です。
資格のほかに彫金師に必要な技能とは?
資格のほかに彫金師に大事になるスキルが、「手先の器用さ」や製作に関わる「センス」、さらには苦労も力に変えられる類まれな「強い精神力」です。これらのスキルは常に努力や修行を積むことで養われるので、彫金師に絶対なるという強い気持ちを持つことが大切です。
彫金師の平均給与はどのくらい?
彫金師の平均給与
彫金師として働けるところは色々とあります。彫金工房では、一般的にアルバイトから始まるため時給1,000円ほどで見習いの仕事をします。彫金工房以外には、宝石メーカーや貴金属店に就職する人もいますが、正社員であれば月収20万円ほどが給与の相場とされています。
◎副業でネット販売をする人もいる
彫金工房やメーカーで働く以外にも、独立して工房を開業する人や、インターネットサイト上でオリジナル商品を販売している人もいます。彫金師として認められ有名になるとそれだけ収入も増えていきますが、実際には彫金教室の講師として働きながら製作を続けている人が多いようです。
彫金師のやりがいや苦労
彫金師のやりがい
・作品を手にとった人が喜んでくれる!
彫金師の職人になるためには長年の修行期間と地道な努力が必要です。苦しい修行期間を乗り越えたあとに、自身が製作したデザインやたがねで彫った作品が人の手にわたり、その人が「心から喜んでくれたとき」には、これまで苦労した分大きな充実感と達成感を味わうことができるでしょう。
・お客さんが増えて商品が売れだす!
宝石メーカーや彫金工房から独立してショップを立ち上げるには、それなりの実力や彫金師としての知名度が必要になります。すべての作業も自分の腕次第で決まってしまうので、素材の知識に富んでいることはもちろんのこと、ほかの職人とは違う人を魅了するデザイン多く製作しなければなりません。
商品が世の中で受け入れられるか否かはやってみないと分かりませんが、少しずつ「お客さんが増え」、「商品も売れだす」と苦労してでも、大きなやりがいを感じることができるでしょう。
・貴重な職種とされる彫金師!
彫金師は自身が製作した商品の売れ行きや彫金師としての名声、さらには作品を製作してコンテストで賞をとるなどの実績を残していければ、高い評価を得られるといった職業です。
彫金師が活躍できる場所は色々ありますが、プロの彫金師になること事態がむずかしいといわれる世界ですが、これからも需要があり、「貴重な職種」であることには間違いないでしょう。
彫金師の苦労や大変なこと
・地道な修行に耐えられるかどうか
プロの彫金師になるためには、とにかく忍耐力が必要です。
専門学校や彫金教室で勉強をしたからといって、すぐに彫金師になれるわけではありません。とくに、日本を代表する伝統技術を駆使して作品を製作している彫金工房では、職人になっても一生地道に修行を続けて最高の一品を目指すこともあるでしょう。
・プロの彫金職人になれる人はごくわずか
一人前の彫金職人になるまえに、挫折して辞めてしまう人がほとんどとされる非常に厳しい世界です。
実際に金属を彫金する作業は5年以上の見習い期間を経過しないと、任せてもらえないことも少なくありません。需要の高いプロの彫金師の多くは最低でも10年以上の経験を持っている職人ばかりであるため、見習いからプロになるまでの期間をどれだけ我慢強く耐えられるかが彫金師になれるかどうかの境目といえそうです。
・金銭的な面でも苦労する
彫金工房では正規社員として働ける人は限られているので、見習いから始めるときはアルバイトで採用されるのが一般的です。
プロの彫金師になるまでの期間は精神的な面以外にも、「金銭的な面で非常に苦労する」でしょう。収入も少ないうえに担当できる仕事は限られていて、先輩職人について補助作業を続けなければなりません。
このような苦労から、近年は熟練の技をもった彫金職人が年々少なくなり、工房の次世代を担う人材の確保が困難になっているとされています。
彫金師になるための適切な専門学校の選び方
彫金師になるためには彫金工房で見習いからはじめ、修行を積みプロの彫金職人になる道のほか、彫金の技術をはじめ、デザインや美術を専門にしている専門学校や4年制大学で勉強するといった道もあります。
彫金師になることは必ずしも学校で勉強する必要はないといえますが、企業に就職するためには学歴が重視されることもあるので進路選びは慎重に行うようにしましょう。
◎専門学校で彫金やジュエリーについて学ぶ!
老舗の彫金工房で働くためには見習いのアルバイトからはじめて、長い下働きの修行を経て彫金職人となる人もいます。
また、工房以外のジュエリーメーカーで働くときには、ジュエリーに関する知識や技術、販売に関することを専門的に学べる専門学校で勉強することになります。そのほか、ジュエリーを含めデザインや美術を中心に学びたいという人は、美術系の大学に入学し勉強をするのも良いでしょう。
最近では、有名なプロの彫金師の数が減っているようです。それでも、シルバーアクセサリーをファッションに取り入れる人も多いので、いまでも変わらず彫金師が必要とされていることには変わりありません。
金属を使いアクセサリーを製作したり、建造物、家具などの装飾をしたりという仕事は需要の高い仕事です。一人前の彫金師になり、自分だけで一つの作品をつくるまでには長くて厳しい修行が待っています。だれよりも強い忍耐力をもち、絶対に彫金師になるという強い気持ちがある人は彫金師に向いているでしょう。